2012/10/1決算特別委員会傍聴記

区役所1階の案内板
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 みなさん、こんにちは。

 今回、再び縁あって江戸川区議会の決算特別委員会を傍聴する機会をいただきました、志水と申します。よろしくお願いします。

 この日の審議は、一般会計の歳入全体についてと、歳出の中から公債費、諸支出金、予備費。

そして特別会計の、国民健康保険事業・老人保険医療・介護保険事業・後期高齢者医療の各項目の歳入・歳出について、となっていました。

 午前中は会場の都合で傍聴ができず、午後2時からの特別会計の審査のみを傍聴してきました。なお、この日の傍聴者は、筆者だけでした。

 さて、勝手ながら決算特別委員会の傍聴にあたっての筆者の要望などは、前回の拙稿をご参照いただくことにして、今回は傍聴の中で印象に残った内容についてのみ述べることにします。

 

 まず1点目は、介護保険事業の審査から。

今年の4月1日から愛称を「熟年相談室」と改めた、旧・地域包括支援センターについてです。

江戸川区ホームページの説明を引用すると、「公正・中立な立場から、地域における介護予防事業のマネジメント、総合相談支援、権利擁護事業、ケアマネージャーへの支援を担う中核機関として、区内22か所に設置」されていて、各地域ごとの介護に関する役割をもった、重要な機関です。

この実務を担当する外部・民間業者の評価について、質問があがっていました。

いわゆる身内、つまり江戸川区内部だけで評価してはいないか? ということです。

介護保険課長の「業者の自己評価、区側からの評価、そして第三者組織も交えて適切に行っている」という意味合いの回答に対し、民主・ネット会派の新村議員からは「第三者といっても区の関係者では公正・中立な立場を守るのは難しい。評価の内容についてきちんと公表してほしい」と要望が出て、介護保険課長も対応する、と答えていました。

 利権関係のない第三者からの視点、また情報の公開については、公共機関においては必ず求められるポイントです。ここはぜひきちんとしてほしいものです。

 

 2点目は、審査の順番は前後するのですが、国民健康保険事業の歳入と歳出について。

 歳入の面では、保険料の、銀行口座からの自動引き落としを推奨することにより、納入率が上昇した、との発言が医療保険課長からありました。口座引き落とし実施者には、区内用の1000円分の商品券を進呈するなどメリットをつけたそうです。さほど大きくはないにしろ、区の経済活性化にもつながる一石二鳥の取り組みとして、これは評価されていいのではないでしょうか。こうしたささやかな事象の積み重ねが、「江戸川区に住んでよかった」という住民を増やすことにつながるのだ、と思います。

 半面、歳出の面ではあまり明るくない質疑応答になりました。

なかなか減っていかない、未納者の問題。問題なく納められる状況にある人には、差し押さえなど強硬手段を交え、今後もアプローチを行っていくとのこと。これについては、担当職員の方に「ご苦労さまです」という言葉をささげるしかありません。筆者の知り合いにも、江戸川区民であるなしにかかわらず、こんな行動をとっている人はいませんし、心理状態を推測しようにも……? 何ともいいようがありません。

 一方で、きちんと納めるだけの収入が得られていない方々が、おられるはずです。現在、江戸川区でも支払い困難な場合の減額・免除申請を受け付けていますが、こうした相談窓口にもたどりつくのが難しい人たちに対しては、どのような対応が適切なのか?

おそらく、今後しばらくの間は重い課題として、たびたび決算特別委員会でも話題になることでしょう。

筆者の素人考えでひとつ言うとしたら、これは江戸川区がいくらがんばっても解決しない、国家全体の問題ではないか、ということです。

一人暮らしをしていたら、保険料すら納められないほどの収入しか得られない仕事が、現実に存在します。

この点を抜きにして「なまけものを許すな」などと、ストレス発散のようにバッシングしても、まったく問題の解決にはつながりません。今回の傍聴をしていて、ひととき芸人バッシングの中心にいた国会議員のような区議会議員は、江戸川区の中にはおられないようで、一安心しました。

 

 印象に残った最後の点は、委員会の閉会後、傍聴席のすぐ近くにいらした、区の職員の方から「お疲れ様でした」と声をかけられたことです。さりげない一言が、心に残りました。

何かほっとした気持ちになりました。

 

 

決算特別委員会に出席する区議の名簿
決算特別委員会に出席する区議の名簿