2012/10/5決算特別委員会 午前の部 傍聴記

  松江5丁目在住の江戸川区民・松江ゴローと申します。105日(金)に江戸川区の決算特別委員会4日目の審議があり、午前中に「環境費」、午後からは「健康費」(ともに一般会計歳出の部)の審査が行われました。私はこのうち「環境費」を傍聴してきました。

 

 皆さんは江戸川区で昨年秋に「江戸川区歩行喫煙防止条例及びポイ捨て防止等に関する条例」が制定され、今年11日に施行されたのはご存知でしょうか。なんでも江戸川区政史上初めての議員提案条例、同時に東京23区では江戸川区が最後に導入・・・という画期的なのか遅れているのかいささか評価に困る条例なのですが、委員(区議)にとっては自分たちが初めて作った条例ということで、区民への浸透度がとても気になるようです。

 

 たとえば、自民党日本の須賀清次委員。条例が施行されて9ヶ月が経ったのに、「知らない人がまだ結構いる」ことを大いに問題視していました。須賀氏いわく、「作った人(注・江戸川区議のこと。全会一致の賛成だったそうなので44人全員)が周知徹底させる責任がある」。違反者を見つけたら区議は自ら注意しなければならず、時には「(違反者と)命のやりとりをする覚悟も必要」とも語っておられました。「そこまでしなくても・・・・!」と思わないでもありませんが、それくらいこの条例への思いが強いようです。

 

 区のほうでも、周知徹底のためにそれなりのことはやっているようです。たとえば区内12の駅では、これまでも歩きタバコに関する注意書きが床にシールで貼りだされていたそうなのですが、昨年まで「(歩きタバコは)マナー違反」としていたそのメッセージ文を、今年1月以降「禁止」に変更した(写真)そうです。

 

 ただ、こうした施策が不十分だと思っている議員もいるようで、「みんなの党・一人の会」の枡秀行委員などは、「このデザインでは条例で禁止になったことがわかりにくい。なぜ『条例』という言葉を入れなかったのか?」と環境推進課長に質問していました。

 

 これに対する環境推進課長の返答は、「スペースの問題もあって入れられなかった」とのことでしたが、正直に申し上げると不肖この松江、毎日のように最寄りの船堀駅を利用していながら(しかも喫煙者のくせに)、このシールじたい、この日傍聴するまでまったく目に入っておりませんでした。つまり「条例により」云々以前の問題として、歩きタバコを禁じるシールの存在を意識することが、皆無だったわけです。

 

 まあ私の場合、普段からよくボーっとしていると周りからも言われますのでいささか極端な例かもしれませんが、それをおいても行政サイドの方というのは、「自分たちがこれだけ手間も予算もかけてメッセージを発信しているのだから、住民も当然見てくれているだろう」と、思い込みがちな面が往々にしてあるように思えます。

 

 その点、「民主・ネット」の金井茂委員による「子どもたちに描いてもらった啓発ポスターをもっと活用してはどうか」という提案は、そうした行政と住民の意識のズレを埋める良いアイディアのように思えました。

 

 現在でも、「歩きタバコ禁止」などを啓発するポスター(写真)は区内各所の掲示板などに貼られているそうですが、環境推進課長によると、これは「環境を良くする運動絵画コンクール」への応募があった作品の中から入賞作を選び、印刷したものだそうです。それを区内のより多くの小中学生(全員?)に自ら描いてもらえば、子どもたち自身の心に自然と遵法意識が根付くだろうし、作品を見せられた親だってルール違反はしにくくなる、というのが金井氏の狙いのようなのですが、これはたしかにその通りだろうな、と素直に頷けるものがありました。

 

 「自分も議員になるまで区の広報掲示板なんて見たことなかったし」と金井氏は言っていましたが、そういう一般区民の目線に近い提案がスッと出てきたのは、議員になってまだ日の浅い(当選1回)金井氏ならではだったのかな?などと後で議員名簿を見ながら思ったりしました。

 

 なお区では来年3月末までに、駅周辺で歩きタバコをしている人や、拾い集めた吸い殻の数を集計する事業も委託して行うとのことです。私の近所を見る限り、特に夜間はプカプカ吹かしながら歩いている人が結構見られるのですが、どう出るでしょうか。私自身も一応はルールを守って嗜んでいるつもりですが、非喫煙者に迷惑をかけてしまった場面はなかったか、今一度振り返ってみようと思います。