2012/12/4本会議(一般質問第二日目)傍聴記

松江5丁目在住の江戸川区民、松江ゴローです。江戸川区の第4回定例会、前回の本会議(一般質問)初日に続き、今日は2日目の模様をレポートします

 

上一色中橋:写真サイトPanoramioより(画像クリックで引用元へ)
上一色中橋:写真サイトPanoramioより(画像クリックで引用元へ)

建設会社倒産で橋の完成延期


以前、委員会の傍聴をした時から感じていたことなのですが、区議会を傍聴していると、「え?江戸川区でそんなことが起きてたの?」と思うような情報に触れることがかなりあります。全国区のメディアが取り上げてくれるにはローカル過ぎるのかもしれないけど、住民であるならば知っておいたほうがいいこと。そうした「知らないまま」ではいたくない地元の情報にアクセスするために、議会、とりわけ重要議題が話し合われる本会議の傍聴は、最適だと思います。

 

たとえば――これは初日の桝秀幸議員(みんなの党・ひとりの会)の質問で知ったことですが――西小岩一丁目と新中川西岸の上一色三丁目を結ぶはずだった「上一色中橋」の架橋工事が、区が工事を発注していたサクラダ(千葉市)という建設会社が今年11月に倒産したために中断。そのために本来なら来年10月に予定されていた橋の開通が、1年以上遅れそうであること、などです。

 

江戸川区では昨年8月にも公共事業を発注した別の建設会社が倒産し、工事の遅延を招いたことがあるようなのですが、今回も契約からわずか半年で請負事業者が倒産するという事態。そんなことから桝議員は、「入札時の手続きに問題があるのではないか?」と追及していました。

 

「(サクラダは)入札の資格は満たしていた」との総務部長の弁明に対し、桝議員は、「契約半年で倒産してしまったのだから、規準を満たしていても問題があったということでしょう?だったら新しい規準が必要だ、ということになりませんか?」と怒っていました。たしかにその通りだと思います。

 

大型店の出店ラッシュ


2日目のこの日は、小俣のり子議員(日本共産党)の質問により、江戸川区役所の周辺に来年早々、大型店が相次いで出店してくることもわかりました。

 

まず中央図書館前にホームセンター「コーナン」がオープンするのに続き、次いで区役所裏にスーパーの「西友」が、さらに「ファッションセンターしまむら」と「東武ストア」も相次いで出店してくるのだそうです。

 

区役所近くにはすでにコジマ電気もありますし、どういうわけか急に大型店が増える印象ですが、それに伴い周辺の商店街が打撃を受けることも予想されます。小俣議員もこの点についてと、併せて自動車の流入増による交通事故増加の可能性について質問していました。

 

区では「事業者に対し、周辺住民への説明会開催を義務付けている」と述べていましたが、小俣議員がしまむら本社に問い合わせたところでは、同社は住民向けの説明会を「開く予定はない」と通告しているようです。

 

どういう行き違いか分かりませんが、出店前からこの調子だといささか心配になります。事業者には最低限の信義を守ってもらうよう、区にはしっかりとした指導をお願いしたいものです。

 

自殺者数は過去10年で最悪に

 

江戸川区HPより(画像をクリックで引用元へ)
江戸川区HPより(画像をクリックで引用元へ)

つい先日、全国の自殺者の数が15年ぶりに3万人を下回りそうだ、というニュースがあったばかりですが、江副亮一(民主・ネット)議員の質問からは、江戸川区における昨年1年間の自殺者の数も分かりました。その数、179人。これは過去10年で最も悪い数字だそうです(参考:平成10年~21年までの「江戸川区の自殺者数推移」。区ホームページより)。

 

江戸川区では9月と3月を自殺対策強化月間と定めているほか、昨年は「江戸川区自殺防止連絡協議会」を設置するなど、自殺を減らすための取り組みを色々と進めてきたそうなのですが、にもかかわらずこの数字。「(自殺を思い悩んでいる人を)待っているだけの対策ではなく、行政側のもっと積極的な働きかけが必要なのではないか?」と江副議員は質問していました。

 

区長によればNPO法人「ライフリンク」などとも連携し、実践的な提言を受けているとのことであり、実際、ゲートキーパー (駐・職場等で自殺のサインに気づき、声をかけたり、必要に応じて専門相談機関につなぐ役割の人)の養成講座を開催しているともなども聞き及びます。これらを見る限り、区の側もそれなりのことは考え、実際にやっているのかもしれません。

 

ただ思うに、自殺対策は「自殺対策」という単体の施策で完結するようなものでは、おそらく無いでしょう。自殺対策の予算をどれだけ上積みしたところで、区民の日々の暮らしが辛いものであり、学校や職場、家庭といった場が過酷なものであるなら、いつまでたっても自殺者は減らない。そんな気がします。

 

財政の問題はあるのでしょうが、区民にとって少なくとも「生きづらくはない」街。江戸川区がそのような街になるよう、区長と職員、議員の皆さんには、教育、福祉、文化、その他あらゆる分野で頑張って欲しいと、切に思います。